役員挨拶
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2022年12月、山口大学及び山口県立大学並びに山口学芸大学は、これら3大学を設立時社員として「一般社団法人やまぐち共創大学コンソーシアム(英文名称: General Incorporated Association Consortium of Higher Education Institutions for Co-Creating Yamaguchi)」を設立しました。この法人は、設置形態や規模等が異なる国公私立 3 大学がそれぞれの強みや特色を活かして連携し、人的・物的リソースを相互に補完することにより教育研究機能を強化し、地域との共創によって、地域が求める人材育成や地域社会の振興と発展に寄与することを目的としています。
山口大学及び山口県立大学並びに山口学芸大学の3大学は、山口市にキャンパスを有し、やまぐち未来創生人材育成・定着促進事業(COC+事業)の主要参加校であり、この事業を通じて地域の抱える課題について共通の理解を深めて参りました。COC+事業は、「大学リーグやまぐち」を活動の中核とし、山口県内の高等教育機関が連携し、また、行政、産業界等と広範なネットワークを形成し、それぞれの特性を活かした様々な連携事業の実施を通じて、若者の定着促進並びに高等教育機関の地域貢献力及び教育・研究水準の一層の向上を図り、地域社会の発展に寄与して参りました。COC+事業終了後も、「大学リーグやまぐち」は山口県の支援を得て地域連携プラットフォームとして活動を継続し、様々な連携事業を実施しています。
3大学はこれまでの活動を踏まえつつ、地域へのさらなる貢献に資するため、文部科学省の「地域活性化人材育成事業(SPARC)」に応募し、「ひとや地域(まち・文化・教育)のwell-beingに貢献する文系DX人材の育成」事業として2022年8月に採択されました。この「一般社団法人やまぐち共創大学コンソーシアム」は、さらに文部科学大臣の大学等連携推進法人の認定をうけ、SPARC事業の中核となります。本法人の活動は、SPARC事業を推進し、国公私立 3 大学がそれぞれの大学の教育・研究の強みや教育リソースを結集することで文理横断型の教育を実現し、地域課題を適切に捉えて、地域でのDXに貢献できる、しなやかな「文系DX人材」の育成を目指します。本法人の活動に対して、ご理解とご支援を賜りますようお願い申し上げます。
2022年12月27日
一般社団法人 やまぐち共創大学コンソーシアム
- 代表理事
- 谷澤 幸生(国立大学法人山口大学長)
- 副代表理事
- 岡 正朗(公立大学法人山口県立大学理事長)
- 副代表理事
- 二木 寛夫(学校法人宇部学園理事長)
代表理事挨拶
谷澤 幸生(国立大学法人山口大学長)
山口大学では、2004年の国立大学法人化を契機として、本学のあるべき姿(将来像)を見据えた「明日の山口大学ビジョン」を策定・公表して以来、社会や時代の変化の節目節目において、新しいビジョンを発信して、本学の理念である「発見し・はくぐみ・かたちにする 知の広場」の実現を目指した大学経営を推進しています。
その後の「明日の山口大学ビジョン2015」では、「ダイバーシティ・キャンパス」の創造を中心的な目標として掲げ、対話による合意形成と多様性を尊重して、大学改革に果敢に取り組んできました。近年では「ビジョン2015」を策定した時には想定していなかった、世界的な感染症の流行や地球温暖化が原因と想定される大規模自然災害の発生など、様々な課題が発生しています。一方、飛躍的に高度化する情報通信技術は、これまでにない価値を生み出し、高度に情報化された人間中心の社会であるSociety5.0が現実化しつつあります。
2022年4月、新執行部体制に移行し、本学が新たな一歩を踏み出したことに伴い、また、国立大学法人としての第4期中期目標・中期計画の初年度にあたり、「明日の山口大学ビジョン2030」を策定、2023年1月に公表します。「新ビジョン2030」では、「知の創造としなやかな人材の育成により地域に・世界に貢献する山口大学」を中心目標として掲げ、さらなるダイバーシティの実現を全ての活動の活力の源泉と捉え、教育・研究・地域貢献活動をさらに推進してゆきます。なかでも、地域の「知の拠点」として、その発展に貢献することが最重要課題のひとつと捉えています。
そのようななかで、山口大学は山口市にキャンパスを有する山口県立大学及び山口学芸大学とさらなる連携を深め、それぞれの大学の理念・目標の実現を目指しつつ、COC+事業などによるこれまでの実績を活かして、地域が求める人材を養成するために、文部科学省の「地域活性化人材育成事業(SPARC)」に応募し、2022年8月に「ひとや地域(まち・文化・教育)のwell-beingに貢献する文系DX人材の育成」事業として採択されました。本事業では、設置形態や規模等が異なる国公私立 3 大学が、それぞれの大学の教育研究の強み及び教育リソースを相互に補完し、地域課題を適切に捉えつつ、DXに貢献できるしなやかな「文系DX人材」の育成を目指します。
この事業を円滑に推進し、更なる地域貢献に資するため、本年12月に3大学による「一般社団法人やまぐち共創大学コンソーシアム」を設立しました。加えて、文部科学大臣の大学等連携推進法人の認定をうけ、さらなる教育研究の高度化を進め、その成果を普及・定着させてゆきます。これまでに増してのご支援を賜りますようお願い申し上げます。
2022年12月27日
副代表理事挨拶
岡 正朗(公立大学法人山口県立大学理事長)
山口県立大学は1941年、山口県立女子専門学校として発足し、山口県唯一の県立大学として地域に貢献する人材育成と研究に取り組み、2021年、開学80周年を迎えました。これを契機に、新たな発展を目指すべく2021年~2023年の3年間を“Reborn80”と称し、様々な取り組みを行っています。現在、管理棟が建築中であり、地域との共創スペース(地域共生センター)を充実することで、地域の皆さんと共に夢をかなえて行く計画を立てています。
山口県において、山口県立大学の将来構想が検討され、本年3月に公表されています。その中では、本学は県民にとってなくてはならないと思われる存在価値を示し、地域とともに未来を切り開く大学であり続けることが求められており、4つの項目が未来構想として挙げられています。
- 国際文化学部の再編(令和7年度)
- 社会福祉学部及び看護栄養学部の充実
- 子ども・子育て支援への貢献((仮)こども家庭ソーシャルワーク教育研究所の設置)
- 地域・企業・高校等との連携強化
加えて、デジタルトランスフォーメーション(DX)の推進が強く求められています。
この度、山口大学・山口県立大学・山口学芸大学の3大学では、文部科学省が進める「地域活性化人材育成事業~SPARC~」の採択を受け、3大学が有する強みや特色を活かしながらDX推進に貢献できる文系人材(文系DX人材)の育成や企業・自治体等と連携した課題解決型学習(PBL)の実施、リカレント教育やリスキリング教育の推進などに取り組むこととなりました。
本学では、このSPARC事業を大きなステップと捉え、「地域社会の未来をリデザインし、人々の暮らしの DX 推進に貢献できる人材」の育成を目標に掲げました。デジタルスキルを活用して地域社会の国際化に対応できる人材、県内企業や団体等が行う海外展開やネットワーク構築に貢献できる人材など、人間の生活を重視する文系の視点を活かして、地域課題解決に向けてデジタル技術を活用し新しい社会のしくみや価値を創造する力を持つ人材の育成に取り組むこととしています。学生や教職員と地域社会との連携をさらに深め、地域社会のニーズに応える「地域貢献大学」としての使命を果たすべく努力して参ります。
今後とも、ご支援賜りますようお願い申し上げます。
2022年12月27日
副代表理事挨拶
二木 寛夫(学校法人宇部学園理事長)
学校法人宇部学園が運営する山口学芸大学は創立以来、建学の精神「至誠」にもとづく、芸術を基盤とする教育の実践を通して、豊かな感性や創造力、高度な専門性と実践力とを併せ持つ教育者・保育者を多数輩出し、県内就職率が8割を超える地元密着型の教員養成大学として、地域社会の発展に寄与してきました。
現代社会はSociety5.0の到来に備え、グローバル化の進行、高度情報社会の進展など加速度的に変化を続けています。加えて、コロナ禍を契機として、世界は、日常生活はもとよりあらゆる分野において、普遍的価値の精査や新しい価値の創造という転換点に直面しています。このような中、高等教育機関は独自性のある教育活動を充実し、中央教育審議会の「2040年に向けた高等教育のグランドデザイン」答申においても示されている学修者本位の教育への転換をすすめています。
宇部学園は、2021年、地域社会と連携・協働しながら、「至誠」の心を軸としたこれまでの学園教育のよさを継承、発展させるとともに、Society5.0の時代に求められる新たな資質・能力を兼ね備えた人材の確実な育成に努め、広く社会に貢献し、地域社会の発展に不可欠な存在として躍進することをめざして、「『至誠』の心の継承と社会変化や多様性への対応」をテーマとした新中期計画「宇部学園ビジョン2030」を策定し、公表しました。
山口学芸大学では、この学園ビジョンの実現に向けて、これまでの芸術を基盤とする教育を大きく発展させて、時代が求める新たなSTEAM教育を展望し、リベラルアーツ教育を充実するための新カリキュラムを編成し、令和4年から具体的な教育改革に取り組んでいます。
本年12月には、山口大学、山口県立大学ととともに、国公私立の枠組みを超えて一般社団法人を設立したところです。今後は、3大学の強みや教育資源を相互に活かしながら、「文理横断型のSTEAM教育」と「DXによる地域課題解決PBL」の2系列からなる共通の「SPARC教育プログラム」等を展開してカリキュラムのさらなる強化を図ります。この教育プログラムの実践により、広範な教養と文理融合の知識の獲得等によって、新たな時代に対応する質の高い教員の養成に取り組む所存です。
3大学の連携推進においては課題も多々ありますが、結束して各大学の個性を生かし、魅力を高め、地域社会のさらなる発展を期す所存です。今後とも「一般社団法人やまぐち共創大学コンソーシアム」に対し、一層のご理解とご支援を賜りますようお願い申し上げます。
2022年12月27日